君に届け
見回すに実にミーハーな空間だと思う“ニジの空間”なわけですが、また1つ。
もう立派な賞なんかもとって、誰もが知ってる大人気作品です。
でも、36歳の男にはやや敷居の高い別マ作品。(笑)今まで何となく横目に眺めて手は出ていなかったのですが、この度の実写映画化。わたし主演の娘のもっそいファンなものでついに手を出したわけです。
手を出したところが、これは素晴らしいです。
素晴らしい。
超王道の、ひく程王道の少女マンガなのに、非常に開けている。
キラキラした、本当にキラキラした、1人の女の子と男の子の、全く普通の恋愛模様。
キャラクターの造形だけは実にマンガ的だけれども、その他は何の押し売りも無い、ただの高校生の恋愛模様、というだけ。
あなたのとなりの物語。
だのに、それでいて、コミュニケーションというものの普遍的な部分に堂々と足を踏み入れています。
恋愛キラキラで終わっていない。
全くもって終わっていない!
おっさん、全然手が出ますよ。(笑)
非常に頼もしく骨太な作品。王道というものの強さを鮮やかに見せつけられた大作と言っていいと思います。
現在の10巻で大きく展開に区切りがついています。ここで終わっても何ら問題無いくらいですが、さらにその先のコミュニケーションに踏み込んでいくようですね。完結した時この盤石な王道感が健在のままであることを祈っています。
キラキラきゅんきゅんと楽しくて、しっかりこの世の普遍を考え、うなずき、涙を流し、読み終わってちょっと顔が上を向く。
なんとすごい。
そりゃ人気出るわけですね。
人気作だけに何となく手が出ない方、これは買いです。裏切りません。是非どうぞ。
だって、この世の全ては、“君に届け”じゃないか。
タイトルをつぶやくだけで、心が少し熱くなるよ。
本当に。
君に届け。