for the rest of my life

ex.ニジの空間(関心空間)

阿・吽

覚悟を決めた人や表現て、魅力的ではないですか。

自分もそうありたいと思い、憧れるではないですか。

そういう表現にはすごく感動させられるではないですか。

 

しかし、そういうのを飛び越えた偏執狂的な表現というのも、あるではないですか。

感動というよりは取り憑かれたような空恐ろしくなる表現。

覚悟を決めるとか以前に、はなから、その苦しみも含めて骨の髄まで喜びのうちに作品に身を捧げてしまうような作家。

 

おかざき真里はそういう偏執狂的な凄みがある作家の一人だと思う。

 

もの凄くこだわって緻密な絵を描かれるのはそうなんだけど、実はもっと精緻な絵を描かれる方だって他にいるとは思うのです。

でも、彼女のマンガの情念のこもったような点描なりカケアミなりは、ちょっと絡めとられるような粘着さと迫力を持っていて、美麗だとか説得力があるだとかでない、怨念じみた迫力があります。

なんの苦労とも思わないで、好きで好きで好きでやってるんだろうな、という強さと恐さがある。

 

 

平安の混沌に強烈に現れた最澄空海という2人の大僧を描き始めたこのマンガは、

おかざき真里のそういう個性が最大限に力を発揮していて、非常にワクワクします。

そしてじわじわ読者にも粘着してきて、絡めとられそうになる、危うい魅力をふりまくのです。

彼女のこういう骨太な作品、すごくいいと思いました。

彼女にあったすごくいい題材をつかんだのだなあ、と感心しました。

 

 

喜ばしいことではないか。

“追うべきもの”が、この世に存在しているのだ。

それを追わずして、なんの人生か。

 

 

鮮烈に真理を追い求める最澄空海を、

このまま空恐ろしくなる濃度で描き続けてほしいと思います。

面白い!

 

しかし、おかざき真里、子ども3人育てつつこれ描いてるって、本当に鬼神ではなかろうか。

ちょっと凄みあります。

 

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