ジャカランダ
「え。えーーーーーー?!」
が、一読後の感想。(アホですね。)
同時に一読後すぐにPCを立ち上げてこれ書いてるので、見当違いな感想だったら申し訳ないと思いますが、瞬発力をもって登録しておくべきマンガかも、という気もしたのであえて書くことにします。
最初の「え。えーーーーーー?!」は「なんだこれ?!」な単純な驚きと、その読後感そのものな叫び。「こんなんあるの?!」という感じ。
ここまで衝動的なマンガを読んだ事がないかも、と思ったのです。
300頁あるらしいですが、10分かからずに読み終えることもできると思います。
ただただ、
崩壊。破壊。死。叫び。
そこにある衝動。衝動。衝動。衝動…。
衝動をここまでしっかりと紙に定着させ、わかりやすく提示したものというのは、わたしの記憶にはありませんでした。
えてしてそういう衝動を叩きつけたような表現というのは、受け手にとってはとても受けいれるに耐えない、オナニーみたいなものになってしまうことが多いように思うのですが、そういう感じがしません。そこが凄い。
きっと日常の描写と人間の描写のレベルが圧倒的に高いから、作者の衝動と、読者の心の中に実は存在する衝動を奇跡的にシンクロさせられるんではないでしょうか。だから読者にとって相手の一方的なオナニーにならない。
しりあがり寿は本当に、
人が目を背けたい人のつらいところを、残酷なまでに切り取ってくる。
もうたくさんだと思っている日常の景色を、そのまま切り取ってくる。
あの絵なのに、ここまでリアルなのはなぜだ?
マンガとしての完成度はもしかしたら『方舟』には及ばないかもしれませんが、衝動をそのまま伝える、その類の無さに驚きを隠せない1冊です。
あとがきで“本当はギャグマンガにしたかった”と発言している彼に、それができちゃったら、その人は一体どうなってしまうの?と素で心配すると同時に、畏怖を感じました。
あと、ラストなんですが、あのラストに圧倒的な絶望を感じてしまったのはわたしだけですか?