さよならキャラバン
関心空間で知った1冊。
BL系の作家さんらしいです。
この作品は全くBLではありません。
以前、自身の日記で『失恋ショコラティエ』に触れた時にもさらりと書いたのですが、BLにまたがる作家さんは、わたしがこれまで読んでいる限りでは、論理的か生理的か、という分け方をするとやや生理的な方向に振れた位置で、非常に繊細な感覚をとても上手に描いてくれる方が多いような気がします。
この『さよならキャラバン』もそんな感じを受けました。
どこかのどかな架空の過去の(?)地方都市っぽい世界観で、生死と、感情としての好き嫌いと、どこか善きものとしての人間とを、優しく描いています。
とてもほんわかと心に染みるいい作品。
ほんわかじわっと、決して強烈なインパクトはあたえないけれど、じっくり心に住み続けそうな、そんな作品です。
『海街diary』シリーズに通じる感覚のもっともっと少年少女ファンタジー風味、という感じもするかも、と言ったら伝わりやすいでしょうか。
草間さかえ、初めて知りましたが、これからBLの枠を出て活躍してくださるのかな。
そうだといいなと、とても期待しています。
世界を持っていて、それをちゃんと描ける作家さんだと思いました。