放浪息子
とても丁寧な作品。
帯に“思春期手前の少年少女。その揺れる心を描く”とありますが、その辺を本当に丁寧に描いてると思います。
主人公達のような一般的でない嗜好を持つ人はそう多くはないんでしょうが、それはあくまで切り口であって、思春期手前にこのマンガに描かれるような気持ちで、つらかったり、悔しかったりした人はたくさんいるはずで、その感じをこんなにきちんと描いたマンガはあまり無いと思います。
秀逸なのは、
二鳥くん達を「オカマ」と揶揄する悪ガキや、
それを遠巻きにクスクス笑う同級生や、
彼らを珍獣を扱うように面白がるモデル仲間などの、
当事者意識の希薄な悪意、薄っぺらい衆愚、
そういったものが抜群の説得力で描かれていることではないかと思います。
矢は軽い力で放てるけれども、刺さった方は死ぬかもしれない。
実は主人公の側に立つキャラクター達にだって、興味本位やもの珍しさがあり、自分の利益があり、理解できないことはできない。
ただ、自分が生身の人間と関わっていることに無自覚ではない。
そこの所がとてもきちんと描かれている気がします。
それは、大きな差で、そして誰もが危うい。
世界は大丈夫か?
マコちゃん、最高に男前だ!
ささちゃん、最高にかわいいぞ!
あんまり頭使うとかゆくなるぞ!!