大水木しげる展
おらが街にもついにやってきた『大水木しげる展』!
それを知った日から指折り数えて休日を待っていましたが、ついに今日行って参りました。
ホント、国宝。
人が多くの卓越したものを同時に持った時、逆にその凄さがわかりづらくなってしまう事があると思うのだけれど、わたしにとって水木しげるは不幸にもしばらく丁度その状態にはまりこんでいた時期があったと感じていて、その意味でも興味のある展覧会でした。
マンガ家・絵を描く者としての想像を絶する力量、目に見えぬ存在を繊細に感じとる感性、壮絶な体験を経てなお、この世の全てを楽しんでしまうかのようなバイタリティー、人間的魅力。
この展覧会は、このような立体的で数多く、しかもそのどれもが卓越している彼の魅力をわかりやすく展示していて、とても面白いと思いました。
彼のマンガ、絵の凄さは、知ってはいたけれども、あらためて言います。
凄い!
味があり、凄い。(言葉じゃ簡単ですけども。)
原画見て意を強くしました。
背景の点描や描き込みを見て、なぜか涙がでてしまったのは内緒です。
あと、わたしが知るよりずっとずっと多様なスタイルを使いこなしていたんだ、というのは発見でした。96年の童話作品には驚きました。やさしいやさしい水彩画。
この世の目に見えぬものを感じる感性は、彼の仮面、人形のコレクションの展示で、やはりこれまた凄いなあ、と思わされます。
異形の者に対して使うのはおかしな言葉ですが、凄くリアルなんです。これまで見てきたどんな同様の仮面、人形よりも、強烈にリアルな物ばかりが並んでいます。
目に見えぬ存在に形があって、遭遇するなら、この形は感覚としてとてもリアルだ。という感触の物ばかりです。説得力がある。
思えばぬりかべもリアルだもんなあ。
そして全体からかもしだされるそこはかとない氏の魅力。
やっぱりね、薄くないです。
80過ぎて現役で、全く古びないどころか新しささえ感じさせて。
どんだけ偉大なんでしょう。
だからもー国宝ですってば。
でも人少なかったよなあ。
この展覧会がゆったり観れてる場合かっての。