パティスリーMON
唐突ですがわたしが幼稚園の時なりたかった職業は“本屋さん”でした。
そして素敵なカフェに心ときめかせる女子は多いです。
人って“お店屋さん”好きなんだと思うんですよね。
なんか根っこの部分で。
自分の趣味で埋め尽くして、自分の空間を作り上げて、それで人が楽しんで。そんな願望。
そんでもって、女子は甘いものが大好きですよね。
少なくとも甘いものが嫌いな女子はわたしの人生経験からすると少数派です。
女子の甘いものトーク時の問答無用の高テンションは、いっそ清々しい。(笑)
チョコレート、生クリーム、イチゴにモンブラン~。こいつらにはかないません。
で、女子って、いい男が大好きですよね。
そりゃ、いい男だもんなあ。好きだろ。(笑)
さあ、全部が詰まってるぞ。この少女マンガには!(『YOU』を少女誌とは言わないでしょうが…。)
そりゃ面白いだろ!
でもこの『パティスリーMON』が、お店屋さん好きで、甘いもの好きで、いい男が好きな女子でないと楽しめないマンガなのか、というと、決してそんなことはないのです。
そこがこのマンガの素敵なところです。
このマンガはそのいずれにも寄りかかっていない。しっかりとした読み口で、仕事や恋愛といったキャラクターの人生と、そういった様々なお楽しみ要素をニュートラルに描いていて、いい男に好かれて甘いものに囲まれて素敵、といった浅い面白さでなく、一生懸命やる女の子と素敵な男と素敵な職場の人間ドラマとして楽しく読めるのです。(逆にどっぷり恋愛やスウィーツに寄りかかったものが読みたい、という人には物足りないだろうな、とは思います。)
男だっていい男は好きなんです。見たいんです。
(だって、たいがいの少年マンガだって、青年誌マンガだって、いい男を描いてるぜ?)
お姫様になりたい女子視点のいい男、を超えた描き方でいい男を描いているので男が読んでもしっかり楽しめるのでしょう。
でもしっかりタイプの違ういい男を取り揃えたりして、女子も安心、みたいな。(笑)
全体に落ち着いていて、人の心の機微の描写も丁寧で、安心して読める良作、といった印象です。
最後どうなるのかな…?
わたしは大門が好きなんですけどね。先生には幸せになって欲しいのだけど…。(笑)