for the rest of my life

ex.ニジの空間(関心空間)

僕の小規模な生活

福満しげゆきのマンガは、やっぱりその全編に漂う生温かいダメさが持ち味という気がします。

ただ、そのぬめりとした生温かいダメさゆえに、読者に「わたしこのままコレ読んでたらダメになっちゃうんじゃないの?」みたいな暗さを残す部分もあって、なんというか読者を選んでくる作家のように思います。

しかしながらこの人のぐじゅりとしたユーモアセンスや、妙なたくましさや、かわいらしい絵は、同時にすごくメジャー感も持っていて、なかなか面白いんではないかなあ、と思いつつも、ニジ的にはその湿り気にやや敬遠気味、という感じの距離感でした。

で、この『僕の小規模な生活』。

『モーニング』という天下のメジャー誌に満を持して登場といった趣のこの作品は、作中でも語られる通り、きっと関係者各位の努力と作者の試行錯誤の結果、彼の“イヤ~な感じ”が結構後退して読みやすくなっている印象で、持ち味の“イヤ~な感じ”とユーモアがいい具合にまとまっていてこれが大層面白いのです。

正直、彼の作品の中では今後も異質な位置の作品となり続けるような気もするのですが、アンダーグラウンドなところからのカウンターのようで痛快。

『モーニング』連載時から掲載のたび面白いなあ、と読んでいましたが、単行本化してまとめて読んでこれがまたさらに面白かった。

今連載しているマンガでそれを描いてる自分のことを描く、という題材の面白さもいいと思います。ありそでなかった。

に、しても、妻が偉大。このマンガは妻無くしては成り立たない。本当ににやにやと面白い。

電車で読んでてにやけてしまって不審がられてしまったよ。(笑)

もっもっもっもっもっ

本当に奥さんの手によるものなのか?(そうっぽい気も…。)なHP。

の画像