よつばと!
ごめんなさい。
これまで読みもしないで完全になめていました。
すごいな。すごいな。
このマンガはすごいな。
本当にごめん。これを読まなかった自分よ。
少ない語り口で、人の(きっと)大切な記憶や感触や感情を、やさしく丁寧に、それは大事に卵の薄皮を剥くように、そしてつるつるのゆで卵のように、わたし達に届けてくれる。
かわいい絵柄で、ちょっとその筋の人も夢中になりそうなキャラクター満載で、イマ風のギャグやちょっとしたいいお話をライトに展開してるマンガなんでしょう?なんて読まずにいたわたしはとんだウツケだぜ。バカめ。
そんなもんじゃねー。
それは、大切な記憶や感触や感覚や感情や情景を、とことん蒸留していった末に抽出された虚構。
ちょっと志が違う。
だから多分、こればっかりはドラマにも実写映画にもできないのだろうと思います。
人の一部分をディフォルメしていったというよりは、精錬していった末の創造物のような世界とキャラクターだから。生身の人間には再現できないんじゃないでしょうか。
とても高い画力もそのことに大きく貢献していると思います。
また、別にアーティスティックな方向に行かなくとも、こういう王道の“日本のマンガ”のフォーマットで、こんな風にわびさびとも言いたくなるような情感を表現できるというたくましさと痛快さもわたしを喜ばせるのです。
あと、3巻の花火大会のエピソードの見開きは感動しました。まだまだマンガには見せ方の可能性だって残っている、という感動。
素晴らしい!