for the rest of my life

ex.ニジの空間(関心空間)

FLIP-FLAP

入りこみつつもちょっとひいた目線で、頑に“青さ”を描き続けている(ように感じていた)とよ田みのるの最新刊。

彼に関しては、実はわたしはその“青さ”に対するあまりな直球さが今イチ好きになれないで斜め読み、くらいのスタンスだったのですが、この新刊はとてもバランスが良い感じで、すごく楽しく読みました。

ピンボール・マンガという題材もあまりに特殊なのでそこら辺も半信半疑な感じでしたがこちらも全くストレスなく。とても上手にマンガを描かれている印象です。

彼独特の少しレトロな作風もこれまで以上にとても作品に合っている気がします。

“青さ”を描くと一言で言ったって、なかなか難しい。

これまでの著作がどうだったのかはよく知りませんが、この作品は“青さ”の外装を描くことは極力抑えて、その核を描くことを追求している印象。そういうところがわたしが気に入ったポイントなのかもしれません。

そういった意味では、わかりやすく“青さ”を帯びにくい“ピンボール”という題材は非常に良かったのではないかと思います。(あとがきマンガで作者自身は単にやけくそで選んだ題材だ、と言っていますが。)

大切なのは楽しめること。

本気でやって、本気で楽しめ。

そうじゃなきゃ震えられないだろ。

その全ては、恥ずかしいことなんかではないんだ。

そんな“青さ”がすっと、しかし大きな高揚とともに、入ってきます。

「俺の心は本気で 楽しめるんだ!!」

あと最後に収録の読み切り作のセリフも良い。「意味ばっかり求めてんじゃねーよ!!!」

確かにな。意味ばっか求めるな。貧乏臭い。

何が大切なんだ?

あと、双子の女の子ではありません。あしからず。(笑)

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