12:13 pm
・昨日はついに『サマーウォーズ』を観る。
シネコンの最前列という過酷な環境ではあったが。
面白かった。とても面白かった。
が、ついに想像を超えてこっちに入ってくることはなかった。少し残念だ。
ものすごく期待して行ったのもあったからかな。
細田守って、ついに現れたポスト宮崎駿的な期待感を帯びてしまうから、そしてそれはあながちはずれていない気もするから、ついつい観る前のハードルを上げてしまう感があるが、それを抜きにしてもどうも彼に対する世間の感覚とわたしの感覚は少々ズレているのかもな、と思う。
彼の作品て(といっても『時をかける少女』と『サマーウォーズ』しか観ていませんが)わたしにとってはどうも“記号で描いてる”ように見えてしまうところがあるのです。
“日本の夏”という記号
“凄い能力を持つ気弱な男子”という記号
“それぞれの矜持を持つ者達の一致団結”という記号
…
いや、どんなマンガ作品もアニメ作品も似たようなフレームだとは思うの。そしてそれはいいと思うの。
でも、それが心に響くか響かないかは、それでも結構繊細な問題で、些細な感覚で変わってくる。そしてそれが実はとても大きなことで。
どうなら響くのか、はよくわかんないんだけど。
なんか、記号っぽいんですよね。記号組み合わせてすごく面白く作ってます、な感じをどっか感じてしまうんですよね。
いや、面白いんだけど、なんかその先のリアルっていうか、もっと来て欲しいですよね…。がつんと。
全く感覚の話で申し訳ないですが。
これを10代とかで観ていればがつんときてるのかもしれないし、わかんないんだけど。
この比較が妥当かは全くわかんないけど、『ラピュタ』のドキドキや『トトロ』の日本の夏やらと強度が違う感じがあるの。それが今様ということか。
宮崎アニメって、最近のは、いわゆるエンタメ的なフォーマットというか、映画として普通に観てても全く破綻してる感じがあるけど(ヒットする方がおかしいと個人的には思う)、リアルさというか、表現の強度という部分では保ち続けていますよね。
細田作品もこれから逆ベクトルで同じ高みに到達して、それを超えていったら面白いですよね。
偉そうにすみません。
でも貞本キャラ最高!
「得意先の人に頼む感じで言って。」も最高!
・ずっと気になってた『ルサンチマン』を読み始めていて、あと1巻なのだが、はからずも『サマーウォーズ』と同じく電脳上の仮想世界の描写があって、「OZ」よりその「UnReal」のが方が面白いなあ、と思っちゃいました。まあ、夏休み映画と青年誌とは違ってあたりまえだけど。
でも、あれだけすごい映像で、めくるめくような、快感といっていい世界を作り上げてる「OZ」と、印刷メディアであるマンガが描く「UnReal」がわたしの中で同等以上の勝負をしちゃうあたり、やっぱりマンガってまだまだ凄いと思うよ。
・わたしの空間で度々取り上げさせていただいてる“ひらつか日記”上で紹介されていて知った、NHKの「戦争証言アーカイブス」が凄い。
ファイトだNHK!