Slipknot
ナカユビタテローーー!!
と、いうわけで、Slipknotです。
メタルというジャンルは全くの門外漢。(いや、これは詳しい、なんてジャンルを持ってるわけじゃないですが。)はっきり言ってこのバンドくらいしか聴いたことないです。
(いや、Slipknotがメタルなのか、というのもきっとあるんでしょうが。)
つまり当然、外見からはいりました。
だって、こんなマンガみたいで、でも無茶苦茶カッコいいバンド、気になっちゃいます。ニジは。
メンバー全員そろいのつなぎに怪物のマスク。メンバー名は通し番号。
またその9人のメンバー編成が強烈。
ヴォーカル、ギター2人、ドラムス、ベース。それにターンテーブル&サンプラーの人。そしてパーカッション2人!
みんなスゴいけども(いろいろな意味で。)特にパーカッションの2人はもう笑うしかない。だって、ただ絶叫してドラム缶叩いてる人にしか見えません。
でも決して笑いの対象ではないんです。
最高にカッコいい。
何なんだ。何なんだ。
まず演奏凄い。
メタルなので、まあ、テクニックはそらあるんでしょうけど、ドラムスの#1:JOEY、狂ってます。天地左右に回転しちゃうライヴもある意味狂ってますが、プレイも強烈。この人は、音楽よくわからないわたしでも凄いと思ってしまいます。他のメンバーもきっと凄いんだと思う。(笑)
あと、獣のごとき咆哮やパフォーマンスの過激さ(#0:SID、DVDで明らかに客殴りつけてます。)から、激情をただ叩き付けるようなバンドと思われがちだと思うんですが、実は非常にポップなメロディと突出したバランス感覚を持っているクレバーなバンドという印象を個人的には持っています。
非常に自らが“見せ物”であることに自覚的というか、ただ「自分達の怒りや憎しみを吐き出してやる!」という目的のバンドではなくて、「“わたし達の”怒りや憎しみを“解放させてやる!”」という意識を感じます。
ただ、それは非常に難しいバランスのはずで、その怒りや憎しみが嘘っぽかった瞬間、聴衆は真っ逆さまに萎えてしまう。冷静に自らの激情を聴衆と共有可能なパフォーマンスに昇華すること、そしてその過程に入り込む激情の薄まり、嘘っぽさ。そのせめぎ合い。そのバランスが神懸かり的なんだと思うのです。
そう考えると衣装やマスクも決してインパクトだけの問題じゃなくて。
このバンドが、全ての人の薄暗いところからやってくる怒り、ぐしゃぐしゃな感情の解放者たろう、という覚悟を決めたバンドだとすれば、そのことが選ばせたスタイルなのではないのかと思えます。
そろいのつなぎに怪物マスクに番号のメンバー名。
それは徹底的な匿名性と言えて、それはわたし達の代弁者たりえるスタイル、ということにとどまらず、志の高いパフォーマーとしての彼らも必要としたスタイルではないんでしょうか。
彼らの実生活には当然幸福も喜びも愛もあるだろうし、何より結局、世の中に「くそったれ!」と叫ぶことで飯を食っている猛烈な構造的な格好悪さもそこにはあり。年をとって表情に丸みも生まれるかも。腹もでるだろ。そういう人間に自分のヒリヒリした薄暗い感情をたくせるのか。たくされることに耐えられるのか。
あれはそういったものから一気に手を離すスイッチなんではないだろうか。
まあ、こんな理屈っぽいことも考えられるのだけど、あくまで頭を麻痺させるバカ音楽(いい意味で!)だ、という部分が最高にイカしてるんです。
やはりこういう音楽にしては異常な売れ方をした『IOWA』はニジも愛聴盤。DVDも最高に楽しい。豚の生首投げてます。(笑)このバンドは映像作品のが売れてる、という噂も聞きますし、DVDお勧めです。ライヴは怖くて行ったことありません。(笑)
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2010,05,25
ベーシストの#2:PAULが亡くなられたようです。
活動はどうなるのでしょうか。合掌。
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2013,12,29
#1:JOEYが脱退したようです。
サウンド的にも要のメンバーですし、メインのソングライター2人がいなくなってしまって、ちと存続は厳しいかもしれません。