for the rest of my life

ex.ニジの空間(関心空間)

おおきく振りかぶって

ひぐちアサ高校野球マンガを描いている、と知った時、ものすごく違和感をおぼえました。とてもひっかかった。

それでも読もうとは思えませんでした。

なぜなら、わたしはとてもひぐちアサを苦手に感じていたからです。

彼女(女性ですよね?)の作品は、

単純にいえば、暗い。

複雑にいえば、作者から発信されているもの、発信したいと思われるものが、読者に提示するところまできちんと消化できていない印象を強く感じていたから、です。

ただの心情の吐露のようなその印象が、わたしにはどうしても良いと思えませんでした。

(彼女の作品に深く共感した読者の方もいらしたでしょうし、それはあくまでわたしの感覚、ということではあります。)

そのひぐちアサが青春高野球マンガ。(む?)

しかもここ関心空間でも大いにプッシュされているではありませんか。(むむ?)

そしたら世間でも人気のようで、本屋で平積みされているではありませんか。(むむむ?)

試し読み可ではありませんか。(ほう)

読みました。

買いました。

おもしろい。

もともとそういう感覚を持っている人が、マンガのエンタテインメント性ときちんと向き合えば、こういう良い作品になるのだなあ、と思いました。(まだ2巻なのでなんとも、というとこはありますが。)

描きたくて描いてるならいいんですけど…。

これまでの野球マンガの主人公にはおそらくいなかったであろう三橋くんのメンタリティというのは、きっと理解できない人には全く理解できないのではないか、と思いつつ、売れてるということは、自分も含め、意外に三橋くんにシンパシーを感じる人が多いのかあ、とつらつら考えたりして。

そういう特異性を抜きにしても、野球マンガとしてとてもよくできた血湧き肉踊るマンガです。

こういうマンガがひぐちアサからでてきてることが、なんか、不思議な感じ。勝手に野球なんて興味なさそうなイメージを作者に持っていたもので、なんかこんなに野球に対する愛着を感じるマンガというのが不思議な感じなのです。

もう一度きちんと読むべきかな、過去の作品も。

と、今思ってます。

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