for the rest of my life

ex.ニジの空間(関心空間)

大東京トイボックス

前作『東京トイボックス』が(おそらくは)打ち切られた理由をわたしは知りませんが、その時わたしは、

「こんな面白い作品が打ち切られるとは。てか、わたしの感覚が違うのかしら…。」

と、悲しかったのです。

しかし、なぜか本屋からこの単行本の平積みが消えることはなく、ついに掲載誌を変更しての続編の単行本が発売されました。痛快です。

そしてやはり面白い。

ゲーム業界の実情をわたしはよく知りませんが、ここに描かれているあれやこれやは、必ずあなたの仕事にも通じるあれこれだと思うのです。

(クリエーターのこだわりで)3を3.1にする作業ってキリがない。

(ただそれは全く可能なこと。ただ単に)品証・プレス・流通・販売店が順々に頭を下げて、みんながちょっとずつイヤな思いをするだけだから。

全く正しい仙水の言葉。

働いてる方ならきっと日々実感していると思うのだけど、“みんながちょっとずつイヤな思いをすること”は実はそれほど軽いことじゃない。

ただ、それを背負ってでも3を3.1にしなくてはいけない時もあって。

商品を“魂は合ってる”ものにする為には。

その為の”みんなのイヤな思い”なんてものはどうでもいい。

逆にその為でないこだわりなんてただのクソだ。

川上でちゃんと“魂が合った”ものにできたなら、きっとその仕事がスタッフ全体が誇りに思える仕事になる可能性だって上がるのだ。少しくらいイヤな思いをしたところで。

“働く人たち”をクローズアップしたマンガがなにやら目立つ昨今ですが、そういった中でもその高揚と痛快さで抜きん出る1作だと思います。

続きが楽しみです。

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