榎本俊二のカリスマ育児
榎本俊二が時おり描く、自身が登場するようなレポート、エッセイ系のマンガはとても面白いなあ、と以前から思っていました。
ものすごくかわいくて上手い絵を描かれる方だし、何かいい具合に力が抜けていて、お気楽で幸せ感が溢れていてじわじわと面白い。
彼のその路線の作品がついに刊行。
全くもってじわじわ面白い。
出産・育児ものは数多くあるのでしょうが、無力な男の立場から(しかもその男はあの榎本俊二!)子育てを飄々と、だがしっかりと描いていて、そしておそらくは育児に全く興味がない層にも楽しめる作品、というのはあまりないのではないでしょうか。
わたしも育児したことないですし。
前書きを読むに、読者層についてはやはり熟考されたようで、その成果か、
子育てマンガといっても“子育て”に寄りかかることなく、ちゃんと“子育てをネタにした”マンガに仕上がっていること
が、このマンガの面白さであり良さなのではないかと思います。
でもやっぱり子どもに対する愛情も感じさせて、ネタとして突き放してしまってるわけでもなく、
子どもを育てる、ということに対して幻想も不安も抱かせずに、すとんと温かく「大変だけど面白そう」と感じさせてくれます。
実際に子育てをされている方の感想も聞きいてみたいです。
個人的には彼にはこの方向のマンガをもっと描いてもらいたいなあ、と思ったりして。
インベーダーやジェイコブや頼まれると脱がずにはおれない女の子がでてた頃の『GOLDEN LUCKY』はそりゃあ問答無用に面白かったんだけど、いつまでもとんがり続けることはきっとできないし。
ドーン バーン リュー