5:37 pm
いったんKWとして書いたけど、なんか内容がどっか否定的になってきてしまってKWとして自分の空間に並べたくないなあ、と思いつつも、興味があるのはすごくあるので日記にアップします。
ちなみにたけくまメモでのネーム原作に関する話も面白いです。
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『BAKUMAN.』
原作:大場つぐみ 漫画:小畑 健
集英社 ジャンプ・コミックス
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本屋を覗くに、鬼のように売れてるみたいですね。
あの『DEATH NOTE』の大場つぐみ+小畑 健による“マンガ家もの”です。
正直好きか嫌いかはまだ何とも言えないのですが、ものすごく興味深いので登録。
まだ1巻しか読んでませんけど、面白いです。
すごく現代的なマンガ道。リアリティもある。(実際のマンガ賞や作品名がばんばん出てくるから、とかいう理由ではなく、思考の仕方、努力の仕方、そこら辺が非常に現代的でリアルという意味合い。)
面白い。
でも、やっぱり。これは確信犯なんだと想像するんですが、全く
心に届かせようという意思が感じられない
のです。
そこを全く目指していない(としか、わたしには思えない)。
サイコーの衝動が描かれようが、
2人の決意が描かれようが、
何しろ、サイコーとシュージンが初めて2人の作品を描き上げて涙を浮かべて握手をしようが、
とにかく感動しない。
心に到達してこない。
心が動かされない。
わたし実は『DEATH NOTE』は嫌いなんですが、
なぜって、今回と同じことを感じていた上に、題材が題材だけに、何の重みもなくストーリーの要請のためにバタバタ人が死んでく様とその描き様が、気持ち悪くて嫌だったのです。
そして今作、あっと驚くド青春ものの“マンガ家もの”で同じ読後感。(変えてくるのか、という好奇心もあった。)
こうなるとね、俄然興味が湧いてきました。
あえて狙ってるよね?このヴァーチャルな感覚。
しかも前作は社会現象化とも言える大ヒットで、今回もとにかく売れてる様子。
つまり、この読後感は支持されているんだよね?
今の小中高生のリアリティなのかな、この気持ち悪い無風が。
それはごく自然なことで、それに対していかなる価値判断も感じられないとこに違和感を感じるわたしが相当ズレているのか?
そもそも何らかの“心の動かし”を志向しない創作ってありなの?
ていうか、もしかしたら心が動かないってわたしだけ?
いや、はなから異常にハイクオリティな“読み捨て作”として作られ、それがその目論見のまま消費され、お金を生んでる、という構造?
などと、結局心は千々に動かされるのであった。(笑)
お話もキャラクターもとてもリアルで納得できて面白い。
その上で、心に“届かない”マンガじゃなくて“届けない”マンガなのではないかという思い(疑念)がこのマンガを注目させます。
面白ければそれでいい?
オールドタイプの戯言でしょうか。こっちはただ消費してるだけの読者だから、あまり大それたことは言えないけれど。それを承知で、作品が圧倒的に評価されていることを含めて、とても興味深いマンガなのです。
共感くださる方はいるかなあ?