完全自殺マニュアル
いろいろ物議をかもした1冊でした。
出版された時、立ち読みで読み始めて、あまりにも淡々と自殺の仕方だけが羅列されていて気持ち悪くなった記憶があります。
でも、こんな事を言ったら不謹慎ですが、とてもおもしろい本です。
生死の問題は特別視されるので、普通もっと道徳的、観念的になりがちですが、効率を追求しリスクを明示するという、普通の仕事を普通にしています。
その後の幾多の下らない亜流とは一線を画す真剣さです。
“なんで生きなくちゃいけないのか”は結局いつまでたっても、未来永劫、誰にもわかりません。
ならば生と死を並列的に扱う視点を提示することは正しいと思います。
安易であやふやな“生の絶対視”は結局“生”を曇らせる気がします。“生”がこの程度のものだと認識した時、生きたくても生きられない世界中の幾多の生をリアルに考えることもできるのではないかと。
でも本当にこの本を参考に自殺をしたとみられる方々の親族の方には許す事のできない1冊だとは思います。