100s
中村一義名義での現在のところの最終作であるアルバム。
最初に、わたしは熱心な中村一義のリスナーでもファンでもありません。
デビュー時、まわりが異常に熱狂していたのも、全然その訳がわからずにいましたし、今も同様です。
『ERA』は好きでした。「変わったな」と思った記憶があります。このアルバムは買おうか買うまいか迷いましたが、結局自分の中で買うまではいきませんでした。
で、『100s』。
友達に借りて一聴、いきなり買ってました。
このアルバムはスゴイなあ、と思いました。そして聴きまくりました。
同時に、きっとずっと彼を追いかけているファンの方の中には“薄まった”印象を持つ方もいるかもな、と思いました。
まるでストーリーのような紆余曲折を経て、中村一義は“バンド”にたどりついたようですが、わたしにとっては、そのことである種“開かれた”表現を獲得したと思われることが大きくプラスに感じられたということだと思います。
“わかってしまった”後の世界で、
ここまで逆説でもなんでもない希望を歌い、
ここまであふれるような愛を歌い、
ここまでそれをやさしさでいっぱいにして歌い、
ここまでそれを楽しんで歌い、
ゆえに、
ここまで覚悟を決めた歌をわたしは知りません。
シングル曲をアクセントに名曲ばかり。インスト(?)の『ロード中...』すら美しい。
僕ら選んだ歴史の向こうを、
光るくらい奏でてフェンダーメキシコ。
向こうを…。
そんじゃ、もう行くよ。
僕と、会う場へ。
/メキシコ