せいへ
お父さんです。
お父さんは結構頼りなくてちゃらんぽらんなのだけど、お父さんです。
ただね、頼りないんだけど、せいがこうなって欲しい、という想いを、ぶらさずに、大切に、持っていたいと思っています。
逆にその幹を、その幹だけを、どこまでも揺るぎないものとして示していければ、ちょっとちゃらんぽらんなくらいでいいかなあ、と思っているのだよ。実は。(ダメかい?)
せいがお母さんのお腹にいるとわかってから、すこしずつ書きためていた、せいに一生かけて伝えていきたいそんなあれこれです。
せいが生まれたその日にこうして言えたらいいな、と思って書きためていました。
少なくとも今のお父さんが、これだけは伝えていきたいと思っている、心から、嘘なく、思っている、あれこれです。
せい、本当におめでとう。
・言葉はどうしようもなく不完全なものです。だから精一杯大切に使ってください。
・自らの心とは誠実に向き合ってください。自分の心に対しては、どこまでもその嘘に敏感になって欲しい。
・想像力を持った人になって欲しい。そのためにお父さんは努力を惜しまないから。想像力はほとんど全てです。
・“こうでなければならない”という勢力には抗いなさい。そんな決まりは絶対にない。
・“正しいこと”を知っているようなことをいう人間は嘘をついています。そう思ってください。
・この世には“悪意”があります。悲しいけどあります。
・“悪意”はきっとあなたの心にも生まれます。否定しろとは言いません。ただ、それを人にぶつけるのは恥ずかしいことだと思える人になってください。
・ユーモアは大切です。お父さんも頑張るよ。
・“意味のないこと”を嫌う貧乏くさい人にはならないでください。それは驕りというものです。世界の豊かさを見失わないように。
・“あたりまえのこと”をひっくり返そう。そこから世界は大きく広がりをみせ、あなたの人生を豊かにする。何って、最高にワクワクする!
そう思える契機をつかんで欲しい。
そういう素地をあなたの環境に整えることは、お父さんの一大使命だと思っています。
・人は一人では生きていけないでしょう。しかし孤独を必要以上に恐れないで欲しい。
・他者の人生に敬意を払ってください。全く尊敬できない誰かであっても、懸命に生きているのです。そのことに最大の敬意を。
・考えることを逃げない人間になって欲しい。わからないことは全く問題じゃないんだ。
ただ、結局、最後まで、逃げないで欲しい。わからないままそれを抱きしめ続けていくことは、苦しいけれど本当に大切な行為だと信じて欲しい。
ちょっと休憩。聞いてください。
お父さんは少なくとも2回、本気で死にそうな状況で傷一つなく生きのび、1回神隠しから生還しています。笑ってはいけない。マジです。
学生の頃やもっと若い頃は、神様がわたしに何かさせようとしているから生かしたのかなあ、などと思いもしましたが、この歳でこの何も成してないっぷり。(笑)
…。
言いたいことわかるね。神様はもしかして、あなたを誕生させるためにお父さんを生かしたんじゃないの?と今思ってる。
つまりあなたは根拠無き自信を持って生きていいよ!
あと1つだけ。
・誰がなんと言おうと、あなたがこの先どう思おうと、生まれたことは喜びです。なぜなら生まれたことは全てだから。
お父さんはそう思う。おめでとう!